山翠舎のブログ

【最新技術×伝統】古木ベンチ納入事例と3Dスキャンデータを活用した什器製作

作成者: からかま|Oct 15, 2024 12:57:09 AM

古木ベンチ納入事例と3Dスキャンデータを活用した家具什器製作

私たち山翠舎は、古木を活用した内装設計施工の実績が豊富ありますが、古木を活用した什器製作においても大手企業様をはじめ数多くのオーダーメイド什器の納品実績があります。

木目の美しい無垢材のテーブル、商品の魅力を伝える陳列棚、ディスプレイスタンド、スツールなど、依頼主様のご要望に沿ったご提案をいたします。

特に人気なのは『古木ベンチ』で、名前の通り古木独自の風合いをそのまま生かしたベンチです。下の写真は、あるオフィスに納品した際に撮影したものです。

古木ベンチ制作:オフィスへの納品事例

長い歴史を経た古民家から引き取った立派な古木を使用されており、オフィス空間に存在感を放つベンチとして再生しました。古木ならではの自然の力強さと温もりを感じます。
今回の記事では、この古木ベンチの納入事例と、それを可能にした最新技術についてご紹介します!

最新!古木の魅力を最大限に生かす3Dスキャン技術

古木は、一本一本が複雑で形状が異なるため、設計・施工、什器製作において、依頼主様との完成イメージの共有が難しいことが課題でした。そのため、依頼主様に大町倉庫工場まで来て、実際の古木を確認いただくか、写真データの交換が必要でした。

これに対し、3Dスキャンデータ化技術を用いることで、古木の360度の情報を取得でき、古木の選定や、什器の完成イメージの共有がデジタル上で可能になります。

下の画像は、右と左のどちらが本物の古木ベンチかわかりますか?

正解は右側の画像です。左側は3Dスキャンデータの画像です。古木の曲がり、凹凸、木目や手斧の跡まで正確にスキャンされていることがわかりますね!
さらに、この古木ベンチは約250キロもの重量があり複雑な形状を持つ什器です。通常では見づらい下面や背面なども、マウスの回転操作だけで360度の視点から容易に確認することができます。
▼3Dスキャンデータ:古木ベンチの下面画像。拡大縮小もでき、依頼主様との完成イメージを、まるで実物を目の前にしているかのように確認することができます。

この3Dスキャンデータを活用することで、古木ベンチのデザイン検討段階で、曲がりやほぞ穴の向きなどを数パターン作成し、依頼主様が遠隔でもオンライン上で詳細に確認・選定できるようになりました。

▼3Dスキャンデータをもとに完成した『古木ベンチ』

3Dスキャンデータの活用によって、古木什器製作の時間やコストの削減だけでなく、依頼主様により満足度の高い什器を提供することが可能になりました。

3Dデータ活用の流れ

古木什器製作における3Dデータ活用の流れをご紹介します。
①現地にて材を確認→②山翠舎3Dスキャンスタジオへ運搬・下処理・採寸→③スキャニング→④3Dデータ調整→⑤3Dデータ納品→⑥3Dデータを基に設計者様にデザインをご検討いただく。

 

また、2024年9月3日の信濃毎日新聞に、この3Dデータ活用について山翠舎の取組みが掲載されました。

信濃毎日新聞『古民家解体の「古木」活用に向けシステム開発へ 長野市の山翠舎、3Dデータ化で需要拡大狙う』

 

今後、山翠舎では3Dスキャンデータを活用した古木什器製作の実績をさらに広げていきます。
形状が複雑な古木の加工や設計をより効率的に行い、依頼主様のニーズに合わせた什器製作を可能にすることで、「古木」という貴重な資源が再利用される持続可能な社会に貢献したいと考えています。
ぜひお気軽にお問い合わせください。