作成者: 山上浩明|Aug 23, 2020 3:23:37 AM
投稿者: 山上 浩明
2種類の不動産会社「管理不動産会社」と「仲介不動産会社」
開業には、さまざまな悩みがつきものです。
その中で資金計画と並行して悩ましいのが、物件探し。
多くの人がアクセスの良さや広さなど、好条件の物件をコストを抑えて借りたいと考えています。ただ、当然好条件の物件は、ライバルも多く競争率が高い……。
そんな中、ライバルたちを出し抜いて、いかに好条件の物件を借りるか。
当社はこれまで300件以上の店舗の設計・施工を行い、実に多くの物件探しをサポートさせていただきました。
その中で培った経験から辿り着いたのは、
物件探しには「知識」と「熱意」が必要不可欠ということです。
まずは「知識」について。
不動産会社と一口に言っても、立場の異なる「管理不動産会社」と「仲介不動産会社」という2種類があることをご存じでしょうか。
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管理不動産会社…物件の持ち主(大家さん)から管理を委託されている不動産会社。
一般的なイメージでは、地元・地域に昔から看板を掲げている不動産会社です。
大家さんと直接つながることから「元付け」と呼ばれています。地域に根差した歴史のある管理不動産会社は管理物件が多く、経営が安定しています。
基本的には、エンドユーザーへの個人営業は行わないか、積極的ではありません。
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仲介不動産会社…TVCMや駅前でよく見かけるなど、大手フランチャイズを初めとした不動産会社です。インターネットなどのポータルサイトで見かけるのは、ほぼこの仲介不動産会社。
管理不動産会社からエンドユーザーへの営業を委託されて借り手を探し、仲介手数料を得ています。管理不動産会社と借り手の仲介を行うことから「客付け」と呼ばれています。
仲介不動産会社を強い味方にするために、しっかりした事業計画書が必要
もし知らず知らずのうちに、直接管理不動産会社へ物件の相談に行った場合、
多くのケースでは積極的に営業されません。
ましてや借り手(お客様)のペースで交渉するなどは難しいでしょう。
多くの仲介不動産会社がすでに動いており、管理不動産会社はその中から条件の良い借り手を選べばいいわけですから。
仲介不動産会社は、月に何件契約を取り、仲介手数料を集めるかが勝負の世界。
良質な管理物件には、何社もの仲介不動産会社がつきます。営業マン達は常に前のめりで、「このお客様は本気で借りる気があるのか?それとも検討中か?」をうかがっています。
こうした関係性と状況を理解すると、
まず、仲介不動産会社を味方につけること、そして、管理不動産会社を動かすこと、という流れが見えてきます。
では、具体的にお客様はどう動けばいいのでしょうか。
それは、仲介不動産会社に「本気で借りたいんです!」という「熱意」を示すために、しっかりとした事業計画書を見せることです。
「この人なら、物件次第ですぐに借りてくれる!管理不動産会社への説得材料もあるし、交渉しやすい!」と思ってもらうことが重要なのです。
物件を探している人はたくさんいます。
その中で、本当に物件を借りたいと思っている人は、事業計画書が具体的。想定している家賃、月々の収支と客単価、店舗のコンセプト、どんな内装にするのか、内装業者のメドはついているのかどうか…など、チェックポイントはいくつかあります。
「値下げしたら借りる」は失敗のもと。理論的な交渉がカギ
よくある失敗のケースが「値下げしてくれたら借りる」という交渉です。
この交渉の前提には、「絶対に借りてくれる」という信頼関係が必要です。それがなければ、別の見込み客へと物件は流れてしまいます。
こうした値下げ交渉でも重要なのが、やはり事業計画書なのです。
「事業計画的に、このくらいの家賃で何とか管理会社に交渉してほしい!」
ということを、熱意と理論を持って伝えるのです。
あとは仲介不動産会社がその後のプロトークを上手くやってくれるかどうかです。
また、本気度が高いと認識されれば、管理不動産会社が持っている「未公開物件」なども紹介してもらえる可能性があります。これは半年後や数か月後など、解約になるのが確実だけど、まだ、どこにも紹介されていない物件のことで、最も鮮度が高い情報と言えます。
大家さんや管理不動産会社の考え方を理解して、繊細に動く
こうしたやり取りを成功させるためには、お客様の「知識」と「熱意」に加え、最後に「優秀な仲介不動産会社の営業マン」も重要なファクターとなります。
そこは山翠舎にお任せください。
当社で設計施工をされるお客様につきましては、物件探しから対応させていただきます。
仲介不動産会社との交渉はもちろん、優秀な不動産営業マンも何人も知っています。
一緒に、事業計画にマッチする物件を探しましょう。
この辺の一体感や全体の理解が欠落してしまうと、契約までの期間が通常より長くなってしまうなどの問題も起こりかねません。
物件調査の場面では大家さん、管理不動産会社、仲介不動産会社、そして山翠舎のような設計・施工会社、お客様が一堂に会することも珍しくありません。この時に大家さんに対して、設計・施工会社が失礼なことをしてしまうと、最悪借りれなくなることもあります。
この時のちょっとした所作や動き方には、繊細さが大切になります。
当社では業務上、大変多くの大家さんと知り合い仕事をしてきたので、大家さんの考え方がよくわかります。名刺を出すタイミング一つで、不快な想いをさせてしまうことがあるのです。
大家さんや管理不動産会社には、「しっかりした人たちだ。これなら安心して貸せる」という印象を持ってもらうために、山翠舎の実績をアピールしつつ、丁寧な対応が必要不可欠。結果的に、その後の動きがスムーズになるか否かにも影響がでてきます。
ある大家さんから聞いた話では、とある設計・施工会社のデザイナーが、現場調査に短パン・Tシャツで現れたそうです。それを見た大家さんが「なんだあれは。こういう会社には工事は任せられない!」となったとか。
どちらが悪いか、いいかという議論ではなく、こういう事態が起こりうるリスクを知っていたかどうか。
このような現実や全体の流れを俯瞰して見ながら、お客様の事業計画が形になることに最大の価値を置く。これが山翠舎の考え方です。