古木に興味がある方はもちろん、大規模な古木を使った空間づくりを検討中の事業者様にぜひご活用いただきたいのが、古民家を移築・再生した店舗づくりです。そのためには、要望を実現できる最適な古民家を見つけ、それを買い取るフローが必要不可欠です。
この部分が円滑に進まなければ、古民家の移築・再生はなかなか前に進みません。そこで山翠舎では、2020年9月に、古民家の所有者と活用希望者を結ぶマッチングサイトを開設します。
その内容は、7月28日(金)付けの日本経済新聞朝刊で、すでに取り上げていただきました。
当社がマッチングサイトで実施するのは、日本初の「古民家登録制度」です。
まず、当社のホームページなどを通じて古民家に関する情報提供を呼びかけます。そして、古民家を「空き家」のままにせずに「再生して活用してほしい」と考える所有者には、マッチングサイトに古民家の情報を登録していただきます。
その情報に興味をもった事業者と当社との間で対話・検討を重ね、条件面などを詰めて、再生するためのマッチングを図るシステムです。
古民家の大きさ、広さ、状態、価格などの情報を一括管理することにより、古民家の活用を偶然の産物にするのではなく、ニーズに合わせて計画的に移築・再生することが可能になります。
古民家の移築・再生費用は、3.3㎡100万円~(税別)
現在、古民家の所有者からの相談が100件を超えたことが、このマッチングサイト開設に思い至った理由です。当面は、1万件の古民家登録を目指して呼びかけていきます。
古民家を利用したいと考える事業者としては、施工費用も気になるところだと思います。参考までに、物件取得費などを除いた古民家の移築・再生費用は、3.3㎡100万円~(税別)。コンクリート造よりも若干高い程度で施工できます。
新しい提案と未来への希望をたくさん掲載したマッチングサイトの開設に、どうぞご期待ください。
地域の貴重な資源・財産の古民家を後世につなげる
現在急増している古民家のご相談の中には「所有する古民家に愛着はあるが、この先どうすればよいのかわからない」という内容もあります。
もちろん所有者は、古民家の素晴らしさを十分に理解しています。一方で「住むにはメンテナンスが必要だし、解体するにも費用がかかる」という現実的な問題も抱えているのです。
相談のあった方の現地を訪問すると、積年の風雪に耐えてきた古民家の柱や梁は、息をのむような美しさをたたえています。構造体も頑健で、まだまだ住居としての役割を十分に果たせることがひと目で確認できます。
荒削りの大黒柱や鉄砲梁などは、新築ではまず見ることができないため、見る者に深い印象を残します。
古民家をただの「空き家」と見るのではなく、「地域の貴重な資源・財産」ととらえる発想が必要です。古民家を再生すれば、魅力的な空間が増えて人が集まり、ひいては地域の活性化にもつながるのです。これはSDGsにもつながります。
古民家の移築・再生事業は、店舗デザインの一要素ではなく、地域活性・街づくりの一助になり得るのです。
山翠舎はこうした発想をベースに、設計・施工と並行して、時にはビジネスコンサルタントの立ち位置で、地方自治体にも多彩な提案を行います。
古民家を再生して所有者と事業者がWIN-WINの関係に
古民家の取り扱いには、①解体する、②移築・再生するという2つの方法があります。
前者の①を選択した場合、解体は当社が行い、これまで立派に住まいを支えてきた古木の柱や梁、建具なども大切に取り外して買い取らせていただき、長野県大町にある当社の古木倉庫で大切に保管。次の活躍の場を待つことになります。こうした作業を繰り返すことで、当社は「古木のストック数日本一」を誇るまでに成長しました。
②の移築・再生とは、ご家族の想いの詰まった住まいを当社が買い取らせていただき、なるべくそのままの形で移築して施設や店舗などに活用することです。
例えば、老人ホームやデイケアセンターのような高齢者を対象とした施設に利用する方法もあります。古木がもつ自然な温もりに癒されたり、古民家そのものに郷愁をいだいたりする高齢者も多いと思われます。
また、ビアホールやショッピングセンターの一角に本格的な古民家店舗を導入するのも面白いでしょう。古民家や古木を活用することでストーリー性が育まれたり、再生資源の活用というプラスαのイメージも生まれるでしょう。こうしたアイデアを実現できれば、所有者と事業者がWIN-WINの関係になるのは間違いありません。
山翠舎には様々なアイデアと、それを形にできる古木の扱いに熟達した職人たちが揃っています。興味のある事業者様はぜひ、お問い合わせください。当社のノウハウをご活用いただければ幸いです。