山翠舎のブログ

【知っておきたい制度・法律】古民家活用(再生)までの流れと施工業者の選び方

2021年10月05日配信

熱海網代古民家2こんにちは。唐鎌(からかま)です。

この写真ような、古民家を改装した趣のあるモダンな住居や、宿泊施設、ほっと落ち着く古民家カフェって素敵ですよね。昨今とても人気があります。

「私もいつか古民家に住みたい!」「地方で古民家カフェをオープンしたい!」という夢をお持ちの方も多くいらっしゃるでしょう。

しかしながら、一般的な建築物とは異なり、古民家ならでは改修の際に注意すべき点、知っておくべき制度や法律がいくつかありますのでご紹介します。ぜひ、あなたの夢を叶えるためにお役立ていただけたらうれしいです。

本日は、「古民家等の活用(再生)までの流れと施工業者の選び方」についてお伝えします。


はじめに『古民家等活用マニュアル』をご紹介

このブログ記事はこの長野県が作成した『古民家等活用マニュアル』を元に作成しております。

▼この『古民家等活用マニュアル』の内容は、古民家活用にあたり関連法規の遵守事項とともに、先進的な活用事例を掲載した30ページの冊子になっています。記載されている制度によっては各地方自治体によって異なるものもありますので、ご自身の地方自治体へご確認ください。

古民家等活用マニュアル表紙

詳細は長野県HPへ▶長野県『古民家等活用マニュアル』


そもそも古民家とは?

古民家

”「古民家」とは、日本の住居のうち、建築年数がかなり経過した民家のこと。
ただし、具体的かつ明確な定義は存在しない。国が制定する文化財登録制度においては、「50年以上」というのが対象条件になっている。”とのことです。

古民家の柱や梁は囲炉裏でいぶされた独特の色合い、風合いがあり、懐かしさの中に現代の建物には醸し出すことのできない普遍的な美しさが魅力です。

しかしながら、古民家は「寒い」「不便」「暗い」などの課題があり現代の生活スタイルに合わせてリフォーム・リノベーションを行って再利活用を行う必要があります。


①古民家等の活用(再生)までの流れ

▼物件探し~引き渡し、メンテナンスまで

古民家等活用の流れ


  • 1,物件探し

まず「どうやってこんな古民家を探せばいいの?」と思ったら、

◆ここでポイント!「空き家バンク」で検索しましょう▶楽園信州空き家バンク

”「空き家バンク」とは、空き家の賃貸・売却を希望する所有者から提供された情報を集約し、空き家をこれから利用・活用したいとお考えの方に紹介する制度です。

自分が住みたい地区の空き家バンクをチェックしてみることをオススメします。

[山翠舎の特徴]

「空き家バンク」は、主に個人の方が住居を目的として利用されることが多いです。山翠舎も空き家のオーナー様とお探しの方とのマッチングを行っており、特徴としては、法人の方への活用に特化している点です。

今後さらにマッチングサービスを強化していきますので、古民家を改装して宿泊施設にしたい、飲食店等を開きたいとお考えの法人様はぜひ私たちにご相談ください。

▶山翠舎問合せフォームはこちら


  • 2,物件調査

  • 3,物件購入(貸借)

◆ここでポイント!「インスペクション(既存住宅状況調査)実施」をお勧めします。

自分の条件に合う物件が見つかったところで安心できません。特に古民家は築年数が古く、素人ではわからない劣化、腐食などがある可能性があります。購入後にトラブルになる前に専門家に相談しインスペクションを実施しましょう。

インスペクション:住宅の設計・施工に詳しい建築士などの専門家が、住宅の劣化や不具合の状況について調査を行い、欠陥の有無や補修すべき箇所、その時期などを客観的に検査するものです古民家の場合、古民家鑑定士の資格を有する業者に依頼することも有効です。

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ここでポイント!「既存住宅売買瑕疵(かし)担保責任保険」への加入(任意)

瑕疵(かし)とは、「欠陥」を意味します。住宅を購入後、「雨漏りした」などの瑕疵があった場合、修理費用が業者に支払われる(業者が倒産したなどの場合は買主に支払われる)保険制度。この保険に加入するためには、住宅の基本的な性能について、専門の建築士による検査に合格することが必要です。

国土交通省HPをチェック▶既存住宅売買瑕疵保険について


物件を取得したあとは↓

  • 4,基本(実施)設計
  • 5,法定手続き
    古民家の増改築や飲食店などに用途変更をする前には、各関係機関への手続きが必要です。後日記載します。
  • 6,改修工事着工
  • 7,工事完了
  • 8,引き渡し・登記
  • 9,営業等の開始
  • 10,メンテナンス

自分のイメージする間取りやデザインが少しずつかたちになっていく過程はワクワクしますよね!

ですが!

◆ここがポイント!「古民家の改修工事は実績のある施工業者を選ぼう!」
まずは失敗事例を3つご紹介します。

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<失敗事例1>施工業者の知識不足で耐震性に関わる重要な柱を切ってしまった!

<失敗事例2>かやぶき屋根から新しい屋根材へのふきかえがずさんな工事だったために雨漏りした!

<失敗事例3>費用を抑えようとして自分でリフォーム作業中にケガをしてしまった!

こうならないためにも施工業者選びは重要です。

前提として「古民家」のリフォーム・リノベーションを行う施工業者は多くありません。なぜなら、そもそも古民家再生の案件自体が少ないからです。

その中でも重要な選定ポイントは、伝統的な在来工法に知識、経験があり実績のある施工業者であること。また、古民家の良さを現代の生活スタイルに活かす技術者や設計者のいる業者を選ぶことが求められます。

[山翠舎の特徴]

山翠舎では古民家解体~設計~施工の一貫体制です。それぞれを異なる業者へ依頼するよりも情報伝達がスムーズに行えるメリットがあり、工事完了後のアフターフォローまで責任をもって対応いたします。

さらに飲食店を中心とした豊富な施工実績があり、設計・施工のみならず店舗経営サポートもまるっとお任せください!

▶山翠舎問合せフォームはこちら


まとめ

物件探しから古民家再利用までの流れをざっくりとお伝えしましたがいかがでしたか?最後に今日のポイントをおさらいしましょう!

物件探しは「空き家バンク」で住みたい地域の検索しましょう

◆物件購入前は「インスペクション(既存住宅状況調査)実施」をお勧めします。

物件購入前は「既存住宅売買瑕疵(かし)担保責任保険」への加入(任意)

◆設計・施工は「古民家の改修工事は実績のある施工業者を選ぼう!」

 

次回は「古民家活用にあたり適用される法律」についてお伝えします。

※引用:長野県『古民家等活用マニュアル』

 

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